2004-01-01から1年間の記事一覧

アイヌ ネノ アン アイヌ

梟の神は、 「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに.」という歌をうたうらしい、 Shirokanipe ranran pishkan, konkanipe ranran pishkan. ランラン♪ 1922年に19歳で急死した知里幸惠の残した『アイヌ神謡集』。 もう20年もたつ、この岩波文庫…

やったー、夏休み。

今日、夏休み前、最後のパンを発送! 春から長いマラソンのようなパン焼きの日々だったけど、ここでひとくぎり。すべてのパンが100点満点とはいかなかったけれど、とにかく完走だ。 パン焼きは毎日がボクシングの試合のようだと云う人もいるけど、僕には…

暑中お見舞い申し上げます。

ひさしぶりに急いで起きる必要のない朝だった。 僕の人生では、そんな朝のほうが多かった気がするけど、ここしばらくは、そんな訳にもいかなかった。もちろんいつだって朝5時前の空気は、起きてみさえすればとても美しく美しく、あぁ、早起きのパン屋さんは…

リ・ユニオン

「モスタルの石橋、11年ぶり復元 ボスニア内戦で崩落 」というニュースが昨日あった。モスタル、といえば、、、一枚のCDを持っている。 ”モスタル・セヴダ・リユニオン”というグループの音楽。 ”ボスニア・ヘルツェゴビナの街、モスタルでのセヴダという…

とりとめない

夕方、近所の小学校で夏祭りをしている。 あいもかわらず炭鉱節、どうしてここで三池炭鉱の煙突の月なんだ、とかぶつぶつ思いながらパン焼きのあと片付けをしていたら、だんだんとスピーカーから聞こえてくるひび割れた音楽から日本語が聞き取れなくなってく…

われにかえる

一日のパンの工程のなかで、どうしても作業がぶつかるところがある。 こちらの生地はもう窯に入れてくれと云い、でもオーブンの中ではあともう少し焼いてくれと云う、あちらではぷりぷり発酵してきたし、もうひとつ仕込みも残っている。ほら、はやくはやくこ…

ドキドキ

”美味しかったパン2004上半期”ということで、フィンランドサワーライを取り上げてもらった。 率直にうれしい。 とにもかくにも、自分のやれることはやって焼き上げたパンだ、毎回、夕方パンが冷めて発送するため袋につめながら、あぁ、今日のこのパンは、ち…

ばんじゅう

バンジュウ、は番重 ホイロは培炉 シノワは漉し器 カードにボール、スケッパー 衛生帽はデンデン帽。 木製のバンジュウ、もらったんだ。どんなパン屋でどんなパンを入れていたんだろう? おまえは。 これからは、うちでよろしく。

ちいさき友よ

おいおい、この暑いのになにを見つけたのかな、 あー、見せに来なくていいよ、 ばっちくないかぁ、 あ、それはねぇ、、、、

青いトウモロコシ、黒い台地

もうひとつコーンミールの詩を見つけたので、少し長いが写しておこう。 あなたが立ち去るまえに いっておかなければ なぜ ここでは 舌がピキ・バンのように乾くのか 誰も ああ この話しは本当なのだとは知らない しかし 私は 青い練り粉に両手を突っ込んだ …

home

この週末、パン屋の仕事ではなくバタバタとしていた。 とんでもないとこで車がプスリと止まって、5歳の友とバッタ取りをして、20年ぶりに幼なじみと会い、炎天下を歩き、蝉の声を確認し、大阪の地下街で、(その狂気に)めまいがして、、、、 夜、疲れた…

ホッ、

パンや料理だと、素材のもつ味に塩やスパイスを加え、煮たり焼いたり発酵させたりして、”おいしい”を作るのだけど、お百姓さんは、植えたり耕したり水をやったり、空を見上げたりして、素材の”おいしい”を作るんだ、 ”いまどきのトマトのように甘くはないけ…

ペインティング

今日の午後、久し振りに絵を描いた。 絵? というか色のまざっていく様子がおもしろいのだけど。 コーンミールのうす黄色い生地に赤のトマトを混ぜこむときも、ドキッとするけど。

受け止める、

トマトに伊予柑、胡桃にレーズン、パンの生地にいろんなものが入っていたら楽しいけれど、やはりパンの王道は食パン、ハードトースト、カンパーニュといったプレーンな、ストレートなパン達。 中世ヨーロッパでは、テーブルに持参のナイフとフォークとパンが…

牛蒡パン

ひまわりの種のパン サンフラワーズなんて気取っていたつもりが、”ごぼう”のように旨いですね、とメールがきた。 あぁ、そんな君の感性が好きなんですが、、、そんなことを思いながら、夜中に作業場で今日のパンを一切れづつ食べていました。 ”うちのパンは…

ぴょん吉

僕がフランス渡りの”うさぎ”の抜き型♪ 買ったんだぁ、と喜んでいたら隣にいた某が、いい年のおっさんが、、、とつぶやいた。 その自分の調子のいい軽薄さで思い出した、つげ義春の「ほんやら洞のべんさん」、 越後地方の旅でふと一夜の宿に訪れたひとり暮ら…

でんきを消して、スローな夜を、だって。

「泥のごとできそこないし豆腐投げ怒れる夜のまだ明けざらん」 パン屋なら、 わらじのごとできそこないしパン投げ、、、となるのだろう、投げたこと、あるぞぉ。 今朝、松下竜一氏亡くなる。 もうすぐ夏至だ、僕もすこし電気を消してろうそくを灯そう、ちい…

賢司さんさぁ

座右の銘なんてものはないけれど、ときどき頭に浮かび、ひとりごちるのは「虎十公園林」の終わりがけ ”ああ全くたれがかしこくたれが賢くないかはわかりません。”という博士のことば。 こうぶつぶつ言ってみると、すこし気持ちがゆるむ。 そう、虎十を思い出…

このひまわりたちを、よろしく。

夏の新しいパンのひとつに、sunflowers サンフラワーズという名前をつけた。もちろん姉妹だよ、二本でひとセット、姉と妹でお送りします。 ちょっとあばたで、ごつごつしているけれど、その歌声は深みがあって踊る姿が愛らしく、どこかパンチがキイテイル! …

無題

”はるゆたか”より南部小麦が好き、 白いパンより、黒いパンが好き、 名前のついた酵母より、雑種の酵母が好き、 パンのまんなかより、端っこの皮がバリバリしたとこが好き、 国もまんなかより、端っこの境界があいまいなあたりが好き、 言葉も標準語より、方…

今日も夕方にパンの発送を終えた、パンの入れ間違いはないだろうか、送り間違いは? 時間指定は? いろいろ不安はよこぎるけれど、とにかく数通り焼いて、数通りすべてのパンを送ったのだ、ダイジョウブ。 晩ご飯のあと、近所の川に蛍がいるというので、行っ…

木の不思議についてのメールをもらったので、、

とてもあたりまえのことなんだけど、パン屋の食材を見渡すと植物から採れたものばかりだ。 小麦にライ麦はもちろん、トウモロコシにレーズン、伊予柑、小豆、蜂蜜だって蜂が花粉を集めた生産物、バターでさえ、牛という濃縮器官を通った草なんだ。 ”昔むかし…

物々交換さ

来た来た、野菜がきたよ、土佐の国から海越えて、ズッキーニとえんどう豆に隠元豆、にんにく。 美しい野菜たちだ、パンと交換したんだ、うれしいな、 なにやらわらしべ長者になれそうな気がするじゃない? だからお友達にもお裾分け。 会えない人には、レシ…

コーンミールは夏のパン

ナンブ小麦粉は、無骨でどっしりしている。 こゆき小麦粉は、さらっと、上品な感じ、ライ麦粉は質実で、どっーと北風が吹き抜ける。米粉はきしきし鳴くし、よもぎの粉を混ぜ込みだすと薬草を調合する呪術師のような気分がする。 そしてコーンミール、トウモ…

おのぼりさん

白隠禅師の没年は1768年、蒸気機関車がはじめてイギリスで走ったのが1804年、 わずか36年の差だ、はくいんさんは時々めがねもかけていたらしい、 なんだ、そんな昔の人じゃないんだ。 ”片手で叩く拍手の音は?” さぁ、答えろ!さぁ、言え! なんと…

麺棒たち

雨、夜更け、明日の仕込み、 クロワッサンの折込用のバターを麺棒で叩いて平たく伸ばしていると、麺棒の先がとれて中から鉄の心棒が出てきた。ふーん、この麺棒ってそんなことになっていたんだ、両端に栓のようなものが嵌め込んであったのだけど、、、細身の…

用の美ですね、

ピンクペッパーとグリーンペッパーを木鉢で砕く。 サイゴンの市場の狭い路地に入り込んで、ほこりをはたいて買った木鉢、もって帰ってきてからも使うことなくほこりをかむっていた。 何の木だろう、固い木なんだろうな、胡椒の実を入れてごりごりしてみると…

ラ・マンチャ地方では、

初夏のパン、と言っていたらどんどん季節は進んでいく。 いそげ、夏のパンを作らなきゃ。 "pan a la tomate" トマテだよ、イベリア半島風に、ロシナンテを連れたサンチョパンサたちが、街道脇で安ワインを飲みながらむしゃむしゃとお昼にするような、そんな…

もう一度、獏さんおいで

夜景 あの浮浪人の寝様ときたら まるで地球に抱きついているかのようだとおもったら 僕の足首が痛み出した みると地球がぶらさがっている ”詩人・山之口獏をうたう” が沖縄から届いた。なにが素敵ってたくさんの人が、たくさんの楽器で獏さんの詩を歌ってい…

ソウイウモノニ

きょうのパン屋のまかないパンをUP。 黒パンのグリシーニ? いまは夜中、ほんとは今日じゃなくて、きのうのことになちゃった、ながいながいパン屋の一日。 5歳の友との最近のはやりは、NHKの”にほんごであそうぼう”でやっている各地の言葉で読む”雨ニ…