青いトウモロコシ、黒い台地

もうひとつコーンミールの詩を見つけたので、少し長いが写しておこう。

     あなたが立ち去るまえに いっておかなければ   
     なぜ ここでは 舌がピキ・バンのように乾くのか   
     誰も ああ この話しは本当なのだとは知らない
          しかし 私は 青い練り粉に両手を突っ込んだ
          一人の女がいたことを知っている 彼女はいった
          あなたが立ち去るまえに いっておかなければ
     なぜホピ族のトウモロコシは背が低く しょぼしょぼと
     ひょろながく固まって 深く広く赤くならないのか
     誰も ああ この話しは本当なのだと知らない
          しかし 私は それが嘘でないと知っている 新しい
          種子はまだ芽を出さず 私たちは羊を 死者に捧げた
          あなたが立ち去るまえに いっておかなければ
     噴火口の精霊が 私たちに息を吹き込んだ 青い
     風が灰を 台地から吹き飛ばすと 血が流れた、、、
     誰も ああ この話しは本当なのだと知らない、、、
         地球の空の血が でこぼこの耕地を洗った 青い
         トウモロコシが弾けて 播かれた この溶岩の地に
         あなたが立ち去るまえに いっておかなければ
         誰も ああ この話しは本当なのだとしらない
去年、イラクで戦死したアメリカ兵のひとりにロリーピエストワという人がいた。ホピ族の出身、未婚で二児の母、これだけしか僕は、知らない。