木の不思議についてのメールをもらったので、、

ameen2004-06-02

とてもあたりまえのことなんだけど、パン屋の食材を見渡すと植物から採れたものばかりだ。 小麦にライ麦はもちろん、トウモロコシにレーズン、伊予柑、小豆、蜂蜜だって蜂が花粉を集めた生産物、バターでさえ、牛という濃縮器官を通った草なんだ。
”昔むかし、世界には一本の花もなかったのだ”とはじまるローレン・アイズリーの「HOW FLOWERS CHANGED THE WORLD」という短いエッセーは、一億年前の花の唐突な出現という”白亜紀の爆発”について書かれたもの。
白亜紀、恐竜たちの黄昏時代、世界は巨大なセコイアやマツ、トウヒの森に覆われ”そのいずれの木もが、硬く、行儀よく、まっすぐで緑色だ。単調なまでの緑。そこには一切の草はない。”
そして、そこにささやかな一本の花が咲き、それは蜜と花粉をもち、甘い果実を実らし、栄養カプセルのような種を惜しげもなく世界に差し出したんだ、魅了された昆虫類、鳥類、哺乳類たちを巻き込んで世界を一変させてしまった。
この地球に高度に栄養が凝縮された食物が生み出されたことで、世界は力を得て多様な展開を、さまざま色や形を、そしてヒトの進化をもたらした。原始、誰かが小麦の種を手にもって見つめてみたんだよ、石斧片手にもちながら。
すべては一億年前の花の贈りものからはじまっている、日々のパン屋の仕事さえも。

http://www.kousakusha.co.jp/DTL/star.html
http://now.ohah.net/amara/diary/20040527.html