栗名月

ameen2007-10-23

今夜は、前回のメールニュースあとがきに少しふれた栗名月、十三夜の月でした。 前の満月を芋名月といい、今夜の月を栗名月、豆名月と呼んでお月見をするそうです。 なんで十三夜なんだろう、、、満月に少し欠けた風情が粋なのか、ワビサビでしょうか。 昔にはこの名月の夜に、誰の畑からも作物をとってもよいという習わしがあったとか、里芋を掘りだして河原で芋煮会をしたのだろうか。 そんなコミニティに育ったことのない者は寂しいものだ。
栗、豆とならんで「小麦名月」と呼ぶ地方もあるらしく、この夜の月の具合で小麦の豊作不作を占ったらしい。 長塚節の「月見の夕」は次のように始る。
「うちからの出が非常に遲かツたものだから、そこそこに用は足したが、知合(しりあひ)の店先で イヤ今夜は冴えましようぜこれでは、けさからの塩梅ではどうもむつかしいと思つてましたが、まあこれぢや麦がとれましよう、十五夜が冴えりやあ麦は大丈夫とれるといふんですから、どうかさうしたいものでなどゝいふ主人の話を聞いたりして居たので、水海道を出たのは五時過ぎになツてしまつた、 尻を十分にまくし揚げてせツせと歩るく、落ちかけた日が斜に照しかけるので、自分のかげはひよろよろとした尖つた頭になツて、野菊の花や蓼の花を突ツ越して蕎麥畑へ映る、それから粟畑、それから芋畑とだんだんに移つて行く・・・・」

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