お盆だし、、、

ameen2004-08-15

死を初めて意識したのはわれわれの異母兄のネアンデルタール人、いまからおよそ6万年前の氷河期の真只中、われわれとは少し様子の違う眼窩上隆起の人たちが霧のたちこめる洞窟に死んでしまった仲間を埋葬したんだ、季節は春遅く、5月から7月頃。
彼らは死んだ者のそばにたくさんの花を飾った。タチアオイ、ノコギリソウ、ヤグルマギク、セネシオ、ムスカリ、マオウ、、、きれいな色の花を持ちよって。
自分たちがこの氷河期のきびしい世界でどんなに勇敢で強く賢くあっても、死は免れない、なにをしても結局は誰もが死んでしまう、この虚無の自覚をはじめて抱き、その自覚に怖れおののいた人たち。 その世界との裂け目は “私はどうして生まれてきたのだろう? 何故生きていかなくてはいけないのだろう?” という疑問を生んだはずだ。
彼らがこの裂け目をどのように感じたか知りようがないが、死者を埋葬し花を手向けたことで乗り越え、強く生きていったことは確かだ。 そっと死んだ者に花を添え、沈黙して、、

1960年にイラクのシャニダール洞窟遺跡からネアンデルタール人の骨格が見つかり、そのそばの土壌から8種類の大量な花粉が確認されている。
なんて美しい発見だろう。
発見したソレッキーはこのネアンデルタール人のことを「The First Flower People」と名付けた。