怠け者の節句働き、かぁ

僕はずいぶん遅くなってなってからパン屋の仕事をおぼえたのです。
最初の職場で、たまにフランス人の社長が店のみんなを食事に連れて行ってくれて、その日は寿司屋だった。しばらくして、その寿司屋の親父が職人論をぶちだしたのは、僕らを職人仲間と思ったからだね。そして30歳過ぎてから始めるような奴は、やっぱり使えんでぇ、と言い出した。僕はそのとき、すでに30歳だったんだ。店長たちは毎日の僕の失敗ぶりを思い出したろう、苦笑いを噛み殺していたぞ。
それから地震もあり、僕は店をかわり、住む土地も移りまた移り、ふらふらしたけど、とにかくどこかの窯でパンを焼いてきた。
すこしづつ生きていくなかで、この社会で生きる仕事をおぼえ、パンという仕事のなかで自分というものを形にして表現することをおぼえてきたように思うのです。ほんとにカメのような歩みで、、、
表現し形にしていくことが、自分の存在する自信となり、この社会に根をもつことのように感じます。
あびの日記から思ったことです。
http://plaza.rakuten.co.jp/abhisheka/diary/#2004-02-02