サッカロミセス・セルビシエ

ameen2004-01-23

"ぶどう酵母の培養"というとなんかすごいけど、することは瓶にレーズンと水をいれて暖かいところに置いておくだけだ。
でもこれがぷくぷくしてくるのだ、最初シーンとしていた瓶の中が3日もするともうシュワシュワしてきて、おお、生きてるぞ!って感じ。注いだビールほどにもさかんに泡立つ。このぶどう汁に小麦粉を加えて1日ほど寝かす、ということを3回繰り返す。これが酵母の培養。 ameen's ovenの酵母はポタージュのような感じになって出来上がり。
市販のイーストだって培養は同じなんだよ、ただサッカロミセス・セルビシエというきちんと名前のついた菌のみを選び出して、その菌種のみを管理してエリート培養しているだけ。
サッカロミセス属のセルビシエ君は、水と粉に混ぜて24℃に置くと"ここまで"ふくらむよ、ということを約束してくれる。その約束のおかげでパン職人は長時間労働から解放されたんだ、だからイーストはけっしてケミカルで"悪"なものじゃない、彼らだって自然の天然なもの、ただ、、、ただね、、僕はあまり規格仕様向きじゃないの。

自家製の酵母はいったいなんの菌を育てているのかわからない、へたすりゃ雑菌をせっせっと世話してることになる、いろんな菌の集まりだからパンになってどんな風に働くか確かな約束をしてくれない。それどころか、ちょくちょく様子を伺ってお世話をしなきゃなんない。どうですか〜って、毎回毎回ハラハラする。
そのかわりこの酵母種の中には乳酸発酵するやつもいれば、酢酸発酵するやつもいる、寝たぱっなしのやつもいるかもしれない、でもそれだけパンの風味が豊かになるんだ。この多様な匂い、味、その豊かさが僕には魅力だ。
パン種にも多様さを、人の世界にも多様性を。
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