詩をふたつ
こんな詩をみつけた。
友達が土産にくれた大根を
すぐ食うのもをしいので
なにもない部屋にかざつた。
おれの部屋には
それが又とてもよく似合った。
別な友達がやつて来て
「いいな」「いいな」と言うて
帰つた。
木山捷平、キヤマ ショウヘイという人の大根の詩です。
僕の届けたパンも、もらわれたさきで、こんなふうであればいいな。 先週、送った先からの便りにそんなことがありそうな、ひとことがあったよ。 そんななら、うれしいよ、はりまや橋たもとのひとたち!
そうそう、あまらのお誕生日祝いも添えておきます。おそくなりました、同じ詩人のものです。
濡縁におき忘れた下駄に雨がふってゐるやうな
どうせ濡れだしたものならもっと濡らしておいてやれと言ふやうな
そんな具合にして僕の五十年もくれようとしてゐた。