9・11

スラヴォイ・ジジュクは”「テロル」と戦争”という本のなかで、映画「マトリックス」をとりあげながら次のように書いている。
キアヌ・リーヴスが演じる主人公が「本当の現実」に目覚めるとき、彼は焼け爛れた残骸、廃墟のように荒れ果てた風景を見いだすことになるだろう。抵抗派の指導者モーフィアスは皮肉な挨拶を呟くのだ、、、「<現実界>の砂漠へようこそ!」と。それは、9月11日のニューヨークで起きた同様の事態を示す、何ごとかではないのか? 市民は「<現実界>の砂漠」へ招き入れられたのだ。
僕たちは、あの時に垣間見たあのザラザラとした現実を、いまも覚えているだろうか?