ポケットをたたくと、

発酵させたレーズンエキスに小麦粉を混ぜて、ふたたび発酵させたものを初種、初種に水と小麦粉を混ぜて発酵をくりかえしてパン種ができる。このパン種とパンになる小麦粉の1/3を混ぜてあらかじめ発酵させたものを中種という。この中種に残りの粉を加えて本捏ね、そしてパン生地ができるんだけど、、、
この流れを人に説明するとき、僕の頭のなかにはいつも”ポケットのなかにはビスケットがひとつ♪” がまわっている、そぉんなふしぎなポケットがほしぃい。 でも、とにかくこねるたびに、酵母はふえていくんだよ。
夜の仕込み、昼間のうちに混ぜた中種が発酵している、季節がいいから元気だ、うちの中種は水分が多くてかなりどろどろに作っている、容器のふたをあけると、まるでスライムのようになってふつふつしている、 じっと見ているとボコッと気泡があがってくる、まるでそこには、なまずヒキガエルがひそんでいるかのようだ。
ふしぎなポケットをもった子供のような、世界の成り立ちをのぞき見た錬金術師のような気がする瞬間がいつもそこにある。