2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

His Little Life

なんかい見ても、ほーと思う、酵母の発酵。 ただ、干しぶどうを水につけて、暖かいところに置いておくだけ。いつもの同じ瓶を使ったら一日で泡立ちだす。 密閉瓶のパッキンを押し上げてシュッ、シュッ、チュ、チュ、と騒ぎ出すぞ。バタバタした作業のあいま…

詩をふたつ

こんな詩をみつけた。 友達が土産にくれた大根を すぐ食うのもをしいので なにもない部屋にかざつた。 おれの部屋には それが又とてもよく似合った。 別な友達がやつて来て 「いいな」「いいな」と言うて 帰つた。木山捷平、キヤマ ショウヘイという人の大根…

寒い?暖かい?

三寒四温は困る、 おとといも困るとかいたけど、いたしかたない、季節の変わり目は酵母たちが落ち着かず、ざわめくので困るのだ。 寒いなら寒い、暑いなら暑い、そんな毎日がいい。朝起きて窓を見るまでもなく、きまってうす靄のかかった北フランスの空、も…

縁ゆえに。

どうしてパン屋になったか? と問われれば大変困る。 なんて答えよう、僕の生きてきた過去のどこから話せば答えになるだろう? 10代の終わり頃にふらふらと旅にでたことが、パン屋になる必然とつながるだろうか? いや、八百屋でも大工でもよかったんだ、で…

おひさまぱん

「ちょっとそこまで ぱんかいに」というすてきな絵本がある。 自転車のほじょりんがとれて、うれしいワタくんはちょっとそこまでお母さんのお使いに行く、というお話。 団地の坂を下って、その曲がった角の壁のへのへのもへじじいさんにも、肉屋のまえのポチ…

大地の音、野の声

今夜は遊んでいました。 ”トゥルソリ”という韓国の打楽器グループのパフォーマンス。 いやぁー楽しかった!とにかくその強烈に連打する鉦、太鼓の音は僕の生きる源を直撃しゆさぶりをかけ、まるで人力テクノのようにトランスワールドに入ってゆくゆく、、、…

ノーザンライツ

また星野道夫、 ” 「ミチオ、アルヴィンが獲ったブラックベアの脂肪だ。パンにつけてみろ!」テーブルにはクロクマ、カリブーの肉、クランベリーのジャムなどが並び、、、、メアリーの焼いたパンを、アルヴィンが獲ったクロクマの脂肪に浸して口に含むと、そ…

北の友へ

ひとつの瞑想を教わったことがある。 まず、目をつぶり、そのつぶった目の感じを感じる、自分が座っているお尻と床のあたりを感じる、胸に手をあて胸のざわめきを感じる、そうやってこの自分を感じたら、その感じる自分の範囲を部屋いっぱいに広げる、つぎに…

この丸みが、、

なぜだか僕はステンレス製のボールを愛しているようだ、 大小、さまざまな大きさのボールが並んでいるのを見るとうれしくなってしまう、もう、それだけでいろんなパンやお菓子ができるような気がしてくるんだよ。 そう、ステンレスのボールといってもいろい…

お昼時間に、

おととい描いたのです。 茶色と黒のコンテクレヨンというのを使ったのだけど、やわらかくて水にぬらすとじわりと溶ける、描いているうちに、また手でぬりたくってしまった。絵もパンも結局、手や指の感触が好きなのだろう。パン屋はスケベだ、というがそれは…

僕はカスタードを炊いていた、きみは?

朝からカスタードを炊いた。 今日はパン屋はおやすみだけど、友人のお誕生日の集まりにリンゴのタルトを焼いていこう、と思って。 タルト生地をやすませているあいだに、カスタードを炊く。火にかけて沸騰したボールの中の牛乳に、ときほぐした卵を裏漉しし…

風邪をひかないように、

風邪をひきそうだ、 まだ大丈夫、でもほら、はながぐずぐずしてきたよ。 でも、パン焼かなきゃ、朝のメールチェックをすると友人からの連絡事項のあとに、”今日もはりきっていきましょう”とあった。そうだ、はりきっていこう! こんなことば、ひさしぶりに聞…

怠け者の節句働き、かぁ

僕はずいぶん遅くなってなってからパン屋の仕事をおぼえたのです。 最初の職場で、たまにフランス人の社長が店のみんなを食事に連れて行ってくれて、その日は寿司屋だった。しばらくして、その寿司屋の親父が職人論をぶちだしたのは、僕らを職人仲間と思った…

パン屋はだんどりだよ

夜の仕込みが終わったのですこし散歩にでてみる。 昼間の雨があがり、今夜はあたたかい、もやもすこしかかっているよう。 この前の寒波のときは、火の気のない作業場での仕込みで手がかじかんでつらかった、こういう夜はやりやすいな。 あしたの注文がいくつ…