2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Man does not live on bread alone

きょうはパン屋さん、おやすみ。 大阪のうつぼ公園近くのパン屋さんのオーナー氏は一日中パンのことを考えている、と雑誌のインタビューで読んだことがある。あそこはすごい売れてるからなぁ、確かにおいしいし、丁寧に作っている感じが伝わってくる、いちに…

パンのふくらみの宇宙

そらに浮かぶ気球を想像してほしい、気球はパンだと。 それらはともにふたつの基本構造をもっている、皮膜とガスだ。 気球はヘリウムガスを満たして空に浮く、パンは炭酸ガスをはらんで大きくふくらむ。パン酵母はパン生地の糖分を食べて、分解してアルコー…

鬼の弾く音

今日は音のはなし。 沢井一恵という人の琴を聞きに行った。もう70歳近いのじゃないだろうか、細いほそいからだで鬼気迫まっていた、その弾きっぷりはすごい。 十七弦箏という楽器はかなり大きい、その琴におおいかぶさるようにして彼女は音をだす。つまびき…

ラスク時間

ラスクの手順はこう、まず、前日に焼いて少し乾燥させたパンをごく薄くスライスする。そしてオーブンで空焼き、冷めたら蜂蜜と生姜のシロップを一枚づつぬり、ふたたび焦がさないようにオーブンで焼き上げる。 パン屋の仕事のなかでラスクの位置づけは低い。…

サッカロミセス・セルビシエ

"ぶどう酵母の培養"というとなんかすごいけど、することは瓶にレーズンと水をいれて暖かいところに置いておくだけだ。 でもこれがぷくぷくしてくるのだ、最初シーンとしていた瓶の中が3日もするともうシュワシュワしてきて、おお、生きてるぞ!って感じ。注…

パン屋と火星はスピリットでつながれるか?

パン焼きの早朝、15分ほどぽっかり時間があく。 朝一番のひと作業して次のパンのこねまでに待ち時間ができる、もちろんしようと思えば胡桃をくだいたり、いちじくをカットしたりという細かい作業はあるけど、いまじゃなくてもいい。どうせこの後はお昼すぎ…

アナフィラキシー・ショック

ソバ粉のパンを作ろうか、どうか迷っている。 ソバ粉のパンが食べたい!という声があるのだ。東京のおしゃれなパン屋ダンディゾンだって焼いてるぞ。("ブルトン”だって、そっかブルターニュのソバ文化を意識してるのね。)以前に働いていた山のパン屋では”…

夜のライサワー

うっ、しまった!ライ酵母種の起こしを忘れている、あわてて時計を見る! 10時半、まだ間に合うぞ。急げ、2時間半の遅れだ、この工程は夜8時にしなきゃいけない。ビールなぞ飲んでるから、、"ライ酵母" ライ麦粉と水をまぜ24時間置き、これを種としてふた…

僕の手と羊男とのまじわり

僕は器用ではない、性格のことではなく身体的に指先使いのこと、宅急便の送り状を見た人は知っているだろう、こいつは字がへただと。悪筆というより、ただ小学校できちんと字をかかなかったな、というまずさだ。 それでもパンを捏ねていて、なんと人の手はよ…

パン屋の拍手

「戦争は世界中を大きな音で覆った、だから私は妻のためにこの曲を小さな音で作った。」とジョン・ケージは1944年に”季節はずれのヴァレンタイン”というささやくような美しいピアノ曲を作った。60年後の今日の朝、イスラエルのカザ、21歳の女の子が自分…

絵とパンの手仕事

今日は絵を描いていた。月に一度友人たちと集まって絵を描いている、そんなたいそうなものじゃない、お絵かきなんだよ、おもいつくまま、考えのないまま色をおき、指でこすり、はては両手を使って絵の具を塗りたくる、一枚の紙の上にいろんな色と形の出会い…

出来不出来

いいパンが焼けるとうれしくなり、うまくいかないと気持ちがへこむ、 あたりまえかぁ、あたりまえだよね、パン屋なんだから、お金もらって売ってるんだから,それぐらいでなきゃ! それにしてもね、あまりに気持ちがパンの出来不出来で簡単に動くものだから、…

夜中のパンこね

いよかんトースト、雑穀パンを前日の夜に仕込んで、一晩、冷蔵庫で寝かせることにする。 長時間冷蔵法というのかな。去年からいろいろ試行錯誤していたのだけど、一晩ねかせると生地の目が細かくソフトに焼き上がる。これで、酵母の起こし2回24時間⇒中種8時…